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  3. ほうれい線ができる理由と対策

加齢とともにほうれい線が気になり始める方は多いのではないでしょうか。
普段からケアしているはずなのに、鏡に映るほうれい線を見て、毎日のケアに疑問を感じているのでは?
ほうれい線には年齢に合わせたケアが必要です。今回はほうれい線の原因や対策について紹介します。

ほうれい線の原因

ほうれい線は加齢とともに深くなります。これは加齢によって表情筋が衰えたり、真皮内のコラーゲンが減少したりするためです。

表情菌の衰え

表情菌は肌を支え、表情を作るときに使う筋肉です。表情が乏しいと表情筋は衰えてしまいます。また、加齢とともに衰えてしまうので注意が必要です。
支えられていた頬の皮膚が緩むと重力に逆らえなくなり、徐々に垂れていきます。この皮膚が垂れるとほうれい線のしわがより深く見えるようになるのです。
マスクをつけていると顔の筋肉が動かしづらくなるため、口を小さく動かして会話してしまいがち。
そうしていると表情筋がさらに衰えてしまう原因になります。マスク生活によってほうれい線が深くなったという人が増えました。

真皮内のコラーゲンの減少

真皮内のコラーゲンが減少すると肌を支えられなくなります。その結果、肌がたるみほうれい線が深くなるのです。
真皮とは表皮の内側にある組織で、肌の大部分を占めています。
真皮のほとんどはコラーゲンで構成されており、コラーゲンの隙間をヒアルロン酸などの成分が満たされており、そこにエラスチンというタンパク質が加わり肌のハリを保っているのです。
真皮内のコラーゲンやエラスチンは紫外線によって大きな影響を受けてしまいます。そのため、日ごろから紫外線対策をしていないとほうれい線が深くなりやすいでしょう。
紫外線対策として日焼け止めを入念に塗ることも大切です。屋外だけではなく屋内でも紫外線ダメージを受けていますので、屋内だからと油断せずこまめに塗りましょう。
意外に知られていませんが、パソコンやスマートフォンから発せられるブルーライトは真皮にダメージを与えるので、ブルーライトカットのシートを張るなど対策をとるようにしてください。

運動不足

週に一回でも体を動かす習慣がない方はほうれい線が出やすくなります。
運動不足によってリンパと血液の流れが悪くなるためです。リンパは細胞にとって不要となった老廃物を回収します。
このリンパの流れは筋肉を動かすことで促されるため、運動不足だとリンパの流れが滞りやすくなります。リンパの流れが滞ると老廃物の排出も滞り、たるみの原因となってしまうのです。
リンパと同様に血液の流れも悪くなります。筋肉は全身に血液を送るポンプの役割もありますが、運動不足で筋力が低下するとポンプの力も弱くなってしまいます。
血液の流れが悪くなると栄養も届かなくなり、肌への栄養が不足してしまいコラーゲンの生成が滞ってしまうのです。その結果、コラーゲンが減少した肌はたるんでしまい、ほうれい線が目立ちやすくなってしまいます。

睡眠不足

肌をみずみずしく保つには新陳代謝が活発であることが前提です。通常、肌は28日ほどの周期でターンオーバーを繰り返して生まれ変わりますが、睡眠不足はこのターンオーバーのサイクルを乱してしまいます。
ターンオーバーのサイクルが乱れると、角質層の水分保持機能が低下し、肌の水分が蒸発しやすくなり、肌の潤いをキープできなくなるのです。
また、睡眠不足はストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールを過剰に分泌されます。コルチゾールが分泌されることで、皮脂バランスが崩れてしまい、毛穴に影響が出てきます。
さらに肌の輝きが失われてしまうことで、クマやほうれい線、シワ、シミなどが協調されてしまうのです。

姿勢が悪い

猫背によって背中が丸くなっていると肩甲骨が開き、肩が前に押し出され、鎖骨や首が下に押されてしまいます。
そのため、首周りの筋肉が固くなり、血行が悪くなるのです。猫背の人は全身の血行が滞り、むくみができやすくなるのです。
また、加齢により皮膚の弾力が低下すると、余計に皮膚が垂れやすくなります。
日ごろから運動を心がけ、お風呂にゆっくりつかるなどして、血行をよくしましょう。

ほうれい線を防ぐためにできること

ほうれい線の対策には、さまざまな方法があります。詳しく見ていきましょう。

保湿

肌の乾燥は、紫外線によってコラーゲンやエラスチンへのダメージを高めてしまうため、保湿ケアを徹底しましょう。

20代後半~30代前半はヒアルロン酸やセラミド配合の化粧品を

この年代でほうれい線が目立つ原因として多いのが肌の乾燥です。
肌が潤っていると、角質層に水分で満たされふっくらしています。
しかし、乾燥すると角質層の水分が奪われて、肌のキメが荒くなってしまい、肌に亀裂が小じわになって、ほうれい線が目立つようになります。
肌の表面を乾燥させないように化粧水、美容液、乳液、クリームの順番で保湿しましょう。スキンケアにはヒアルロン酸やセラミドが配合された化粧品がおすすめです。

30代後半はハリや弾力を守るレチノール

30代後半になると肌のたるみが進行していきます。原因は紫外線。紫外線のダメージによってコラーゲンやエラスチンがやせ細ってしまい、ハリや弾力を保てなくなります。
たるみを引き起こさないためにも、日焼け止めをしっかり塗りましょう。そして、紫外線で受けたダメージをケアすことも大切です。
ビタミンAであるレチノールが入った化粧品を使えばハリや弾力を守れます。ただし、レチノールは刺激が強めの成分なので、敏感肌の人はナイアシンアミドがおすすめです。

40代以降はペプチドでケア

40代になるとホルモンバランスが変化し、肌の老化にも影響します。
閉経前は女性ホルモンのエストロゲンが減少し、タンパク質を作る能力が低下します。そのため、コラーゲンやエラスチンができにくくなります。
また、肌も乾燥しやすく血流も悪くなりやすく、肌に栄養が行きわたらず、コラーゲンやエラスチンの増加が難しくなります。
そこで、タンパク質の一つであるペプチド入りの化粧品を使うといいでしょう。ペプチドは塗るボトックスとも呼ばれ、表情ジワを目立たなくする効果があります。

表情筋を鍛える

ほうれい線の周りの表情筋を鍛えることで、たるみをケアできます。自宅で手軽にできる表情筋トレーニングがおすすめです。
毎日のスキンケアにプラスして、頬や口の周り筋肉を鍛えるトレーニングを実践することで、スッキリした表情を目指せます。

トレーニング1:あいう運動

口回りの筋肉「上唇挙筋」と頬の筋肉「大頬骨筋」「小頬骨筋」にアプローチするトレーニングです。

1.人差し指を目じりの下に置き、「あー」と言いながら頬を動かし人差し指を持ち上げる。1~2秒に1回のペースで20回繰り返す。
2.人差し指を目じりの下に置き、「いー」と言いながら頬を動かし人差し指を持ち上げる。1~2秒に1回のペースで20回繰り返す。
3.人差し指を目じりの下に置き、「うー」と言いながら頬を動かし人差し指を持ち上げる。1~2秒に1回のペースで20回繰り返す。

トレーニング2:口元の表情筋トレーニング

1.右の口角を上げて、右眼を閉じる。お互い引きあうようにして5秒間キープ。
2.反対側も同様に行う。

マッサージでケア

ほうれい線をケアするには、血流を促す必要があります。血液によって栄養分を十分に届けることで、弾力のある肌へ導きます。

ケア1:皮膚のたるみをケアするマッサージ

1.蒸しタオルを顔全体に当てて血行を促す。
2.ほうれい線に沿って手のひらや指でマッサージ。
注意点としては強くマッサージすると、くすみやしわの原因になるため、クリームで滑りをよくしてからマッサージすることが大切です。

ケア2:側頭筋のマッサージ

頭には多くのツボがあり、顔の筋肉にもつながっているので、頭をほぐすことで表情筋のリフトアップにも効果があります。
側頭部の筋肉は顔の皮膚を支える役割があり、この部分が凝っているとほうれい線が深くなるといわれています。
奥歯を食いしばる癖のある人は特に入念なマッサージが必要です。
1.耳の上とこめかみ周辺を人差し指から薬指の3本を置き、円を描くようにマッサージしていく。
2.少しずつ指を移動させながら側頭部全体をほぐしていく。
3.両耳の後ろのくぼみを親指で指圧する。
4.襟足の窪み部分を親指で指圧する。
5.髪の生え際の中心を人差し指から薬指の3本を置き、生え際に沿って両サイドのこめかみに向かって円を描きながらマッサージ。

食生活から改善

ほうれい線を深くするたるみは食生活にも関係しており、栄養バランスが整った食事をすることが大切です。
お腹いっぱい食べた後に甘いものが食べたくなるのは、食事で摂れなかった栄養素を体が求めているためといわれています。そのため、肌のために栄養バランスの整った食事が大切なのです。
特にタンパク質はコラーゲンやエラスチンの材料になるので、肉や魚を毎日100グラムを目安にバランスよく摂るといいでしょう。
カロリーが気になるなら、脂身の少ないささみ肉や白身魚を選んだり、調理時の脂を控えたりするなど工夫することが大切です。
野菜や果物のバランスよく摂ることポイントで、抗酸化作用のあるビタミンA、C、Eが含まれた野菜や果物がおすすめ。皮脂によって活性酸素が生まれると、肌を傷つけてコラーゲンの働きを阻害してしまいます。
活性酸素を撃退するために抗酸化作用のあるビタミンを摂るといいのです。
ビタミンAを豊富に含む食物は人参、ほうれん草。ビタミンCは緑黄色野菜や果物。ビタミンEはナッツ類、かぼちゃなので、意識的に摂るといいでしょう。

年齢によって肌質が変化していきます。ほうれい線が目立ってきたからといって保湿だけしていればいいわけではありません。
生活習慣の改善やその年代にあわせた化粧品を使ったスキンケアによって、ほうれい線を予防できますよ。